Column

未来創造会議から浮かびあがる注目のテーマ : 1

BUSINESS
次代に望まれるビジネスとは

未来ビジネスのキーワードは、
「Sustainable Earth」

江村 克己の写真

国連が、「Sustainable Development Goal」を提起したように、NECも「Sustainable Earth」という価値創造を議論しています。加えて、異なる文化や分野の人々が通信でコミュニケートしていくことで、産業のエコシステムが変わり、生活も変わる。そして、その生活も、80歳までは元気に働いて、100歳寿命といった社会の姿を描いていかなければなりません。

NEC チーフテクノロジーオフィサー(CTO)

江村 克己

現在の70億人の世界人口は、2050年には90億人になり、その30%が都市に暮らし、豊かな暮らしを享受する都市人口は、約1.5倍になると言われている。近未来には、食糧やエネルギーの需要は約2倍、モノの移動は約2.4倍になり、廃棄物の量も級数的に増加する。こうした状況のなかで、食糧や資源ナショナリズムによる有用資源の囲い込み、自国経済防衛のための輸出規制など、ネガティブインパクトの台頭も顕在化している。

こうした現状と対峙するためには、国連が「SDGs」を定めたように、未来創造の始発駅をまず、「Sustainable Earth」という持続可能な社会を目標として定めた、「バックキャスティングに基づく価値創造」を目指していくべきだろう。

そこでは、自然と生命、健康に資する自然資本の活用を第一優先課題として定め、併せて、自然環境の保全と生態系サービスの高度活用が期待されている。また、脱物質経済へ向けて、価値の基準をモノからサービスへ、モノから人へと移行させた、エコプロダクツ・エコサービスのみが流通する社会の創造も望まれている。

そのためには、必要な情報に簡単にアクセスでき、意見を発信でき、信頼できるサービスを提供する。生涯学べる教育環境を整備し、誰もが生涯働ける社会づくりを形にする。マイナスインパクトレジャーを事業化する。こうしたビジネスが今後、様々に台頭してくるだろう。

社会基盤においても、バイオマス・地熱・風水力・太陽光など、自律分散型の再生可能エネルギーの開発と供給、温室効果ガス・ゼロで移動するモーダルサービス、建築のゼロエミッション、地域のカーボンオフセットビジネス、そして食糧の安定的自給自足システムの構築、例えばバイオ工場をはじめとする食糧生産の設備産業化などが、次世代ビジネスとしてのコア領域と考えられ始めている。

サスティナブルな社会に許容される科学技術、ビジネスを見極めるバックキャスティング

出典 : サステナブルデザイン国際会議

産業構造の変化が
新しい産業生態系を生む

ミチオ・カク氏の写真

AIやデジタル化が雇用にどう影響するのか。見つめていきたいのは、雇用の将来です。誰が仕事について、誰がつけないのか。勝者と負け組は誰なのかを議論していきたいですね。

ニューヨーク市立大学 理論物理学 教授

ミチオ・カク氏

すでに、ブロードバンドのインフラ化が社会の前提となっている今、違いは場所だけのデジタル・コンバージェンスが進展している。デバイスは、顧客獲得のためのツールと化し、デジタル化するパワー革命と、プロダクトからプレイスへ移行するICT革命は、従来のモノを通じた関係づくりというビジネスモデルを大きく変化させている。

違った文化の人々や、異なる業種の産業人がコミュニケートしている現状を、AIやIoTをはじめとする第四次産業革命が加速化させていく。業界融合によるロボトロニクスやサイバーフィジカル産業の台頭、ハード・ネット・ソフトのワンストップビジネスの普及、ブロードバンドを介したコンテンツ&サービスの囲い込み、メーカーとユーザーが直接つながるプラットフォーム型ビジネスが台頭し、その前提となる、ナノテクノロジーを活用した、モノの電化による軽量、熱対策不要、再生可能な素材や、短時間充電を可能にする次世代二次電池の開発などが、すでに様々に顕在化し始めた。

基幹産業は、こうした複合的なサービスビジネスの時代に突入し、新しい環境と社会ルールに基づく産業の再構成が加速していく。こうした複雑で多様な事業開発投資のデシジョンや経営判断はこれまで、人を主役として行ってきたが、進化するAIのような技術をこの部分にいかに関与させ、人との協調を図っていくのか。この領域の技術開発も、来るべき未来社会の大きなビジネスとして注目されている。

SDGsの17目標

出典 : 国際連合広報センター

new window持続可能な開発 2030アジェンダ

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